home > コラム > きれい事だけではない”Made in Japan”
【日本の物づくりの現実】
昔物づくりをはじめた当初は、自分だけでできる範囲で、やりたいことをする時間を確保して、食べていける分だけ稼げればいいと思っていました。
大きく考え方が変わったのは、自分の手に負えなくなった物を作りたくなって工場に足を運びだしたころです。
そこで物づくり現場を目の当たりにし感じたのは時代に取り残された寂しさでした。
創業者が国内生産にこだわって工場の職人さんたちと意見を交わしながらアイデアと技術を高めていく物づくりをしていたメーカーも、時代が進み経営が二代目に移ると生産は中国に移り、安価で大量に製品を作るようになり、結果日本を代表するメーカーへと変わっていきました。
その一方で国内の工場は生き残りのために会社を縮小し、多くの職人が去っていきました。
FREELIGHTと付き合いのある職人さんもその波に飲まれた一人です。
【それでも国内生産を】
いつだって時代は移り変わり、その流れに乗れなかったものは切り捨てられてきました。
大きなメーカーも変わっていかなくては生き残っていけなかったもしれません。
だから、そんなメーカーが悪いとは言えないのでしょう。
しかし、それを続けていくと日本の物づくりはどうなっていくのでしょうか。
すでにある商品のデザインを変えたり素材を最新技術のものにするといった物づくりはどんどん加速していくでしょう。
しかし誰も見たこともないような新しい物を創造するには、協力してくれる職人さんたちの知恵と技術が絶対に必要なのです。
気持ちの通じる職人さんたちとあれやこれや話し合い、時には教えを請い、たまには昔の自慢話を聞き…。
何度も失敗と試行錯誤を繰り返し数ヶ月、長いときは何年もかけてやっとのことで世に出すことができる商品が生まれる、それがFREELIGHTの物づくりです。
【永く商品を使ってもらうために】
そのプロセスは消して一筋縄ではいきません。効率もけしていいとは言えません。
巨大な工場で大量生産し規格外のものを弾くというような作り方だと見た目は均一なものになります。しかし、職人さんの知恵と技術で一点ずつ作られた商品は質には自信がありますが、どうしてもわずかな商品のムラや誤差がでてしまいます。
使う糸の素材やショルダーベルトの角度など、全ての設計に意味があるので、気軽にカスタムオーダー品を職人さんに作ってもらうというようなこともできません。
万が一不具合があったときも大手メーカーさんだったら簡単に商品の交換で済ませてお終いですが、私たちはそれが輸送のときに起こったのか梱包の際に起こったのか、お客様が想定がの使用をして起こったのか、設計に問題はないかなどを考えそのどれでもなければ、職人さんのミスをいう可能性もあるということを職人さんに伝えます。
そうやって再発を防ぎさらに品質を良くしていく工夫を繰り返しているのです。
いい商品を永くお客様に使ってもらうために、開発からアフターケアまで私たちは職人さんと常に話し合い、切磋琢磨を繰り返しているのです。
中小の国内工場が厳しい状況に立たされている現代の流れには逆行するスタイルかもしれませんが、これがFREELIGHTが国内生産にこだわる理由です。